1.過去の状況を見ると価格が上昇している金融商品
株式会社ゴー●●リンクは、2008年のリーマンショックに起因する世界恐慌やイスラム教をめぐる政情不安などによって発生する通貨不安や経済不況に強い安全資産の金やプラチナを毎月の積立で購入できる企業であり、「ゴールド積立くん」や「プラチナ積立くん」などを運営している企業です。
プラチナは、1978年の年間平均価格が1グラムあたり1,520円でしたが、2018年には1グラムあたりの年間平均価格が2,815円と40年前の約1.9倍まで上昇している優良金融商品です。
相場は、2019年5月10日現在1グラムあたり3,159円と2018年よりもさらに上昇しており、1キログラムを購入するには約320万円の費用が必要となります。
金は、1978年の年間平均価格が1グラムあたり1,235円でしたが、2018年には1グラムあたりの年間平均価格が4,207円と40年前の約3.4倍まで上昇している優良金融商品です。
南アフリカでは、採掘量がピーク時の500トン以上から現在では200トン程度と半分以下まで低下しており、中国とロシアがそれぞれ453トンと253トンまで採掘量を増加させても世界全体では減少していることから今後も上昇すると予想されています。
2.積立商品をやめたくなったら?
相場は、2019年5月10日現在1グラムあたり4,969円と予想通り上昇傾向にあり、1キログラムのインゴットを購入するには約500万円の費用が必要となります。
しかし、購入資金がないからと言って5グラムのインゴットを店舗で購入するのはなかなか勇気の要る事ですが、株式会社ゴー●●リンクは恥ずかしい思いをすることなく積立満了時には希望する重さのインゴットが手に入るとしています。
「積立くん」シリーズは、ユーザーの希望する重量のインゴットの購入価格が契約前に決定するので、様々な金融機関で取り扱われている純金積立のように相場の上昇による積立金額の上昇や積立期間の延長がないとされる新型の金融商品です。
「積立くん」シリーズは、インゴットの購入金額が必然的に高額になるので積立期間も10年や15年と非常に長期にわたるケースも少なくないの実情ですが、株式会社ゴー●●リンクでは積立がやめたくなった場合や困難になった場合には途中解約に応じるとしています。
しかし、株式会社ゴー●●リンクは解約時の清算を契約時の相場ではなく積立中も上昇し続けた相場を基準に清算すると契約書に明記しており、頑張って契約期間の半分を支払っても希望するインゴット重量の半分も手にすることができないとして2018年3月に違法判決を受けた企業です。
解約時には、口座の管理費用など契約総額に10%を超える高額の手数料の支払いがインゴットの所有権移転の条件としており、実質的な前払式割賦販売の契約であることを隠す公序良俗に反する契約と言及されました。
3.株式会社ゴー●●リンクに問われる商法の違法性
解約時には、全契約期間に対する実質積立期間の割合とインゴットの契約重量と引き渡し重量の割合がほぼ一致するする必要がありますが、適用する相場時期や高額な手数料に起因して引き渡し重量が非常に少なく株式会社ゴー●●リンクが先物取引に類似する取引で差益を得ていることも違法行為と指摘されました。
確かに、「積立くん」シリーズは契約前に希望する重量のインゴットの購入価格が決まっていることが大きなメリットであるにもかかわらず解約時点の相場を基準とするのは理不尽と言え、取引総額500万円の10%に相当する50万円はあまりにも高額な手数料です。
もし、取引総額500万円の「積立くん」シリーズを1年間や2年間で中途解約したら1グラムのインゴットがもらえないのでは心配になっていしまいます。
東京高裁の控訴審判決では、株式会社ゴールドリンクの理不尽かつ自分勝手な解釈の主張を全て無効にするとともに「積立くん」シリーズを違法な商法と言及し、訴追される責任の所在範囲を現在在職している社員だけでなく既に退職している社員まで認められ、同様の相談を受けている多くの弁護士が判決を注視していることから今後も複数の訴訟が起こされるリスクが非常に高い企業と言えます。
しかし、実際に問い合わせてみると現在も営業しており、損害賠償請求事件控訴審敗訴の事実を認めた上で違法商法でないと説明するとともに「営業から連絡させましょうか」と聞いてくる始末です。
また、金とプラチナに加えて自動車の水素吸蔵合金や歯科治療のインレーに用いられるパラジウムでも「積立くん」シリーズを新しく募集しており、パラジウムを世界の投資家が注目している希少金属と関心をあおっていることから東京高裁の控訴審判決を真摯に受け止めていないようです。
今後、起こされるリスクのある複数の訴訟は現在積立中の人達の心理にも大きな影響を与えることは間違いなく、さらなる訴訟の発生や中途解約の急増も誘引すると考えられるので商法の違法性以上に会社の存続が気になる企業でもあります。